
ホタテオイスターソースコンテスト応募作品
陸奥湾にはホタテの天敵となるキヒトデ、ニッポンヒトデ、イトマキヒトデ、ニチリンヒトデなど数種類のヒトデがいます。ヒトデの多くは貝や魚を食べる肉食性で、ゆっくりとホタテに近づいて覆いかぶさり吸盤状の器官で強引にこじ開けて食べてしまいます。小さなホタテほど狙われるので、稚貝を採苗する前にヒトデを駆除したり、ヒトデが手を出せないように耳吊り養殖を行うなどの対策が行われます。そのほかにもタコ、カニ、ウミセミなどもホタテの天敵と言われています。
ホタテは、ヒトデなどの天敵から逃れるためにさまざまな防御策を持っています。その一つがジェット推進による素早い移動。太い貝柱で2枚の貝殻を勢いよく閉じながら、二つの噴射口から水を噴射して反動で前に進みます。多いときだと1秒間に200回以上開閉して20m以上進むことができます。また、貝殻を急激に閉じることで砂や泥を巻き上げ、視界を遮って逃走することもあります。
ホタテの貝ひも(外套膜)をよーく見ると黒い点々が見えると思います。これ実はホタテの「目」なんです。個体差はありますが60~120個の目がついているといわれ、人間の目のように物を識別するというよりは、光を感じる程度だと言われています。ちなみに貝ひもの主な働きは貝殻を作ったり、泳ぐ方向を決めたりしています。
江戸時代の中期に編纂された「和漢三才図会」という書物の中でホタテは「一方の殻を舟にして、もう一方の殻を帆のように立てて走る」と紹介されています。もちろんそんなことはなく、貝の中に入っている海水を勢いよく吐きだすホタテの性質を、当時の人は帆を立てて走る船のように見立てて漢字で「帆立」としました。また、ホタテは殻が扇形をしていることから、「オウギガイ(扇貝)」や「ウミオウギ(海扇)」などとも呼ばれることも。ちなみに秋田藩主・佐竹氏の家紋が扇形で、殻の形と似ることから「秋田貝」という別名もあるそうです。
ホタテは寒い場所を好むので主に北海道や東北の海で収穫されています。青森県では陸奥湾を中心に下北、三沢、車力などで生産されています。養殖ホタテは北海道・噴火湾、岩手県、宮城県沿岸で主に生産されています。世界で見ると、日本を含む極東地域と北米大陸・大西洋側のアメリカ、カナダ沿岸、ヨーロッパの大西洋岸に分布しています。
2021年の全国の養殖収獲量は15万1000トンで、うち青森県は第1位となる8万200トン!次いで第二位は北海道で6万3900トンでした(天然ホタテの収穫量は北海道がシェアのほぼ100%を占めます)。
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陸奥湾は外海のように大きな波が来ることもなく、しけの影響をあまり受けません。さらに、山から流れ込む水が植物プランクトンを多く含み栄養価の高い陸奥湾の水がホタテを美味しくしています。
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