interview

牡蠣はホタテで育つ!?日本三景・松島湾の豊かな海で育まれる牡蠣漁のいま

2026.01.27 | インタビュー

「海のミルク」と呼ばれている牡蠣。その理由は乳白色という色合いと、牛乳に匹敵するほどの高い栄養価があるからだそう。さらに濃厚な味わい、ぷりっとした食感もたまりません。そんな多くの魅力をもつ牡蠣を美味しく育てるためには、2つの大切な条件が。それは「最適な漁場と手間ひまかけた生育方法」。これをクリアしているのが三陸の海として名高い松島産の牡蠣です。

牡蠣の生産量全国第2位というトップシェアを誇る宮城。なかでも松島の牡蠣がどうやって育ち、美味しさに繋がっているのかにフォーカスしていきます。今回お話を伺ったのは、松島で養殖・加工・販売を手掛けている磯崎漁業組合の髙橋征信さんです。

牡蠣の漁場である「松島湾」の特徴

日本三景の地として有名な松島ですが、実はその地形は全国でも珍しい「閉鎖性内湾」として分類されています。松島湾には大小260余りの島々が浮かび、これらの島や半島が外洋との間に位置することで閉鎖性を伴う湾となっているのです。「穏やかな湾内のおかげで、養殖に大切なプランクトンなどの栄養が外洋に逃げにくいです。松島湾ならではの特殊な地形が美味しい牡蠣を育ててくれているんですよ」と語る高橋さん。一方で、近年の地球温暖化には危機感もあるそう。「水深が浅いこともあり、水温変動の影響を受けやすいです。夏場は30度を超えたり、冬は0度前後になったり。今年は猛暑で心配もありました。成長はやや鈍いですが死滅はなそうなのが救いですね」。

ホタテ殻が果たす重要な役割

牡蠣の養殖は原盤と呼ばれる採苗を作るところからスタートします。採苗とは牡蠣の幼生(赤ちゃん)、いわゆる種牡蠣を採苗器に付着させること(例年7~8月頃)。ここで注目すべき点は、採苗器にホタテ殻を使用していることです。なぜホタテ殻が使用されるのかを尋ねると「ホタテ殻は牡蠣殻と異なり、形・大きさが揃っていることや表面がツルツルしていることから採苗器として重宝されています」とのこと。また、ホタテ殻を海に入れれば勝手に種牡蠣が付着するわけでもないそうで「顕微鏡で海中の小さな種牡蠣の色や形、どのくらい海中にいるのかを観察し、最適なタイミングを判断して採苗器を投入しています」と、繊細な作業が必要であることも教えてくれました。

手間ひまかけて育てる美味しい牡蠣

次は抑制といわれる工程に移ります。成長を促し、丈夫な個体に鍛えあげることが目的の作業です。浅場で潮の満ち引きを利用して乾湿させる抑制は、翌年春まで続きます。その後ようやく本養殖に入り、約半年間かけて水揚げへと漕ぎつけます。水揚げされた牡蠣は徹底した品質管理のもと、殻洗浄・殺菌などの浄化作業をして熟練のむき子さんへとバトンタッチ。こうして一粒ずつ丁寧にむき身加工を施した安全な牡蠣が私たちの食卓へと届き、「美味しい」を運んでくれるのです。

「2年ものが主流の他産地に比べ松島産は1年ものが主流です。栗駒山系から流れ込む豊富なミネラルや栄養分に恵まれているからこそ、1年で十分美味しい牡蠣が育つんです。松島産の牡蠣は小粒で身が締まっていて旨みが凝縮されているのが特徴ですね。ありがたいことにリピーターさんも多いですよ」と髙橋さん。磯崎漁業組合では、毎年、宮城県漁協が決定する生食用牡蠣の解禁日を待って、出荷準備に入るそうです。

※2025年シーズンは10月27日解禁/11月上旬販売開始予定

松島産の牡蠣を味わってほしい

松島は約400年前から牡蠣の養殖が盛んだったそうです。磯崎漁業組合はこの地に明治36年(1903年)設立、戦後の昭和25年(1950年)に現在の体制が確立しました。以来、約70年にわたって経験豊富な漁師たちが精魂込めて育て、販売しています。

「例年11月23日の牡蠣の日には『松島大漁かきまつりin磯島』も開催しています。私たちが丹精込めて育てた松島産の牡蠣を、ぜひ多くの皆様に味わっていただければと思います」。

最後に、「牡蠣養殖が出来ているのは、ホタテの存在があるからこそ。ホタテ殻のおかげで美味しい牡蠣が育っていると思うと感謝です。」と応援メッセージをいただきました。漁業は共に地域の誇りであり、未来を支える重要な産業です。豊かな海の恵みを次世代に繋げる地元の漁業者たちの挑戦を、ひらないホタテ貝議は今後も応援していきます。

※かきまつりについては変更になる場合もありますので詳細はHPをご確認ください。

プロフィール

髙橋征信(たかはし・ゆきのぶ)。宮城県松島町出身。8年間の会社員勤務を経て26歳(1997年)の時、父の会社である磯崎漁業組合にUターンを決意。2024年まで漁業組合長を5年間務めた(代行期間含む)。愛船は「高栄丸」。好きな牡蠣の食べ方は「生食ポン酢がけ」。

<お問い合わせ>
磯崎漁業組合 牡蠣直販部
https://isozaki-oyster.raku-uru.jp
〒981-0212 宮城県宮城郡松島町磯崎字磯島1番地
TEL:022-354-3230

この記事を書いた人
ひらないホタテ貝議事務局 ディレクター・カメラマン 門脇寿英/ライター Tomomi

平内町の漁師

青森市から車で約30 分、下北半島に囲まれた場所にある平内町。陸奥湾の恵みで育った「平内ホタテ」は養殖ホタテでは生産量日本一を誇り、とにかく甘味が強いのが特徴です。
陸奥湾は外海のように大きな波が来ることもなく、しけの影響をあまり受けません。さらに、山から流れ込む水が植物プランクトンを多く含み栄養価の高い陸奥湾の水がホタテを美味しくしています。

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