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ホタテ由来の成分がコーヒー色素を吸着・除去!?十和田発・粉で歯を磨く「ゆきの木ハミガキパウダー」

2025.08.30 | インタビュー

「歯磨き粉」はもともと粉末状だったことをご存じでしょうか。いまではペースト状のものが一般的ですが、江戸時代の初期には塩や貝殻の粉末などを混ぜたものが使われており、「歯磨き粉」と呼ぶのはその名残だそうです。

青森県・十和田市で無添加にこだわった化粧品を開発・製造している「合同会社ゆきの木」では、2025年6月に「ゆきの木ハミガキパウダー」(15g・1,210円)をリリース。ネーミングの通りパウダー状の歯磨き粉で、自然由来の原料で作られているのが特徴です。今回は、実際に製造・開発にあたった同社代表の岩城利英子さんにお話を伺いました。

口の中を洗うものも無添加がいい

青森県・十和田市で小さな化粧品メーカー「ゆきの木」を運営する岩城さん。若い頃にストレスによる頭頂部の脱毛、アトピーを発症した経験から、自然製品にこだわった化粧品を開発・製造しています。2016年の創業以来、お肌に優しい石鹸づくりをメインで行ってきましたが、あるとき口の中を洗うものも無添加のものがいいのではと思ったそうです。「それまでお肌のことは無添加にこだわっていたのに、口の中を洗うものにこだわっていなかったことに気づいたんです。これは盲点でしたね(笑)。そこで無添加の歯磨き粉を自分なりに作ってみようと思い立って、使いたい原料をインターネットで入手して試作してみました。実際に使ってみると口の中がすごくスッキリしたんです!」と岩城さん。使い続けていくうち、「やっぱりいいものだ」という自信が確信に変わり、商品化に向けて動き出しました。

青森県産業技術センター弘前工業研究所との共同開発へ

一般的な歯磨き粉というとペースト状のものが主流で、原料には防腐剤なども配合されています。岩城さんは、よりシンプルで自然由来のもので作れないかと考え、2024年4月、青森県産業技術センター弘前工業研究所との共同開発がスタートしました。

「私の方では素材の配合だったり、実際の使用感やどれくらい爽やかにするかなど官能試験※を行い、コーヒー色素の吸着除去効果など数値化に関わる部分を弘前工業研究所にお願いしました」。実際に、岩城さんが歯磨き粉の主原料として選んだホタテ貝由来の「ヒドロキシアパタイト」には、弘前工業研究所による試験の結果、市場に多く出回る卵殻由来のものより、コーヒー色素の吸着除去効果が1.4倍優れているということが分かりました。

「一番苦労したのは配合でした。やっぱり粉なので、口の中で唾液と混ざり合うと、最初はただザラザラしているというような感じでした。そこで材料も何回も変えながら、その都度、配合の割合も微調整に微調整を重ねて皆さんが使いやすいものにしていきました」。

こうして1年半かけて完成した「ゆきの木ハミガキパウダー」は、ヒドロキシアパタイトを主原料にキシリトール、キサンタンガム、ミネラルたっぷりの天然塩、メントールと、5種類の原料ながら、岩城さんの緻密な配合によって念願だったシンプルかつ自然由来の歯磨き粉となりました。

※官能試験…人間の感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚など)を用いて製品の品質を判定する検査のこと。

一回の使用量は約0.05g~0.1g程度でOK

磨きはじめは口の中が粉っぽくなりますが、続けてブラッシングを行うことで唾液と混ざり、歯にまとわりつくような粘性を感じられます。「私は歯磨き粉を小分け用の袋に入れて使っています。一回当たり使用量はほんのちょっと約0.05g~0.1gほどで大丈夫です。歯ブラシに付けたら、そのままブラッシングしてください。ひと手間ありますが、磨き終わりはお口の中がスッキリ、さっぱりとして、歯のツルツル感を実感していただけます」と岩城さん。少量のハミガキパウダーをカップに入れ、水を注いでハミガキ液(使用量目安:歯磨きパウダー0.05g、水200ml))を作れば、朝のうがいにも活用できるそうです。

化粧品開発への挑戦

「若い頃に脱毛やアトピーで悩んだ時期にシンプルケアと出会い、肌本来の持つチカラに気づかされました」という岩城さん。青森へUターン後はシンプルケアのできる化粧品を作りたいと思い、化粧品製造販売業の許可を取るべく北海道ハイテクノロジー専門学校へ入学。この時43歳、まさに人生をかけた決断だったと振り返ります。

卒業後の2016年6月、合同会社ゆきの木を設立。翌年2017年12月、ゆきの木初の商品である洗顔石鹸「雪の泡せっけん」を発売、さらにその3年後の2020年4月には、髪も洗える全身用石鹸「雪の泡せっけん 全身用」の販売を開始しました。「全身を洗える『雪の泡せっけん』の販売までは、学生時代から足掛け7年の年月を要しました。まさに集大成です」。

いいものを真心こめて

岩城さんの商品づくりにおける信念。それは「人と地球に優しい」ことと、「なるべく地元である青森県の素材を使う」こと。起業して10年目のいまもその想いは変わりません。

今回紹介した「ゆきの木ハミガキパウダー」にはホタテ貝、「雪の泡せっけん」には白神山地の湧き水や青森発の美容成分プロテオグリカンなどが使用されています。今後の目標について「大量生産はできないけど、いいものを真心こめて作っていきたいですね」と語ってくれた岩城さん。メイドイン青森で自然由来のゆきの木ラインナップは八戸市のカネイリミュージアムショップや長瀬荒物店などで購入可能。また、化粧品製造と並行して「シンプルケアのワークショップ」を主催しているので、お肌の悩みながある方はぜひ足を運んでみてください。

プロフィール

岩城利英子(いわき・りえこ)。青森県十和田市出身。合同会社ゆきの木 代表。専門学校卒業後、東京・十和田・福岡で美容師として働いた後、福岡の化粧品会社で勤務。2013年、北海道ハイテクノロジー専門学校へ入学。2016年合同会社ゆきの木設立。自身の経験から、無添加で青森の素材にこだわった商品開発やシンプルケアのワークショップなど精力的に活動中。

<お問い合わせ>

合同会社 ゆきの木
https://yukinoki.org
〒034-0107 十和田市大字洞内字井戸頭144-800
TEL:0176-58-0528
Mail: info@yukinoki.moo.jp

この記事を書いた人

ひらないホタテ貝議事務局 ディレクター 門脇寿英(文/写真)

平内町の漁師

青森市から車で約30 分、下北半島に囲まれた場所にある平内町。陸奥湾の恵みで育った「平内ホタテ」は養殖ホタテでは生産量日本一を誇り、とにかく甘味が強いのが特徴です。
陸奥湾は外海のように大きな波が来ることもなく、しけの影響をあまり受けません。さらに、山から流れ込む水が植物プランクトンを多く含み栄養価の高い陸奥湾の水がホタテを美味しくしています。

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