ホタテの名前の由来とは?そのルーツを調べると江戸時代の書物「和漢三才図会」に答えがあった
ホタテの名前の由来をご存じですか?記録上、日本で一番最初にその名が出てくるのは江戸時代の中期に編纂された「和漢三才図会」という書物の中です。この本は1712年に大坂の医師、寺島良安によって発行された105巻81冊におよぶ、いわゆる大百科事典です。その一節に「その殻、上の一片は扁くして蓋のごとく、蚶(あかがい)、蛤(はまぐり)の輩と同じからず、大なるもの径1~2尺、数百群行し、口を開いて一の殻は船のごとく一の殻は帆のごとくにし、風にのって走る。故に帆立蛤と名づく」という記載があります。一方の殻を舟にして、もう一方の殻を帆のように立てて走る、ということなのですが、もちろんそんなことはなく、貝の中に入っている海水を勢いよく吐きだすホタテの性質を、当時の人は帆を立てて走る船のように見立てて記載したのではと思われます。感じにすると「帆立」。風情がありますよね。また、ホタテは殻が扇形をしていることから、「オウギガイ(扇貝)」や「ウミオウギ(海扇)」などとも呼ばれることも。ちなみに秋田藩主・佐竹氏の家紋が扇形で、殻の形と似ることから「秋田貝」という別名もあるそうです。
この記事を書いた人:ひらないホタテ貝議事務局