美味しさとサステナブルが融合した新名物!器ごと食べられる「ほたてグラタン」

ユニークな商品開発で注目を集めている八戸市の水産加工会社「宝成食品」。その一つが、ほたての貝殻の形をした「器ごと食べるホタテグラタン」。青森県・陸奥湾産のベビーホタテのボイルを丸ごと2つ乗せるという県産食材へのこだわりはもちろん、その最大の特徴は「食べられる器」であること。県産米粉を使った可食トレーは食品ロス削減にもつながるとして、SDGsの観点からも関心を集めています。今回は直接開発の指揮を執った宝成食品の代表取締役・河村隆衛さんにお話を伺いました。
サステナブルな「食べられる器」

「食べれる器」というアイデアは、2024年2月に販売をスタートした「かに屋が作った器ごと食べるかにグラタン」の開発がきっかけになっています。
「カニグラタンはもともと本物のカニの甲羅を使用していました。しかし、コロナ禍で甲羅の多くを調達していた韓国で人手不足や物流停滞が起こり、日本に甲羅が届かなくなってしまったんです。そこで、代わりの器を作れないかと思い立ち、プラスチック容器なども検討した末、たどり着いたのが“可食トレー”という発想でした」。

「美味しく食べていただけるのはもちろん、環境について考えるきっかけになればうれしい」と河村さん。一般的にホタテグラタンは、本物の貝殻を器として使用することもありますが。貝殻は洗浄に手間とコストがかかるうえ、食後は廃棄されてしまうのが課題でした。そういう意味でも「食べられる器」は循環型社会の実現に向けた有効的なアプローチの一つといえます。
食べられる器は、最中(もなか)の皮を製造する機械メーカーに特注しています。ほたての金型ももちろんオリジナルで、独自性の高さも魅力になっています。
より進化した美味しさ

「器ごと食べれる」シリーズ第2弾となる「器ごと食べるほたてグラタン」は、「かに屋が作った器ごと食べるかにグラタン」を開発したノウハウを活かして進化させています。
「小麦粉やコーンスターチをベースとした生地に、県産米『まっしぐら』の米粉を配合することで強度と熱への耐性を向上させました。さらにホタテパウダーやホタテの煮汁を加え、噛むたびにホタテの風味を感じられるように工夫しました」。
調理方法はとても簡単で、完全解凍した後オーブントースターで約14分加熱調理するだけ。解凍後に水分を吸ってしなっとした器も、焼き上がりの後はパリッとした食感になります。また、ホワイトソースをたっぷり使ったクリーミーで濃厚なマカロニグラタンには、オニオンソテーペーストを入れてコクと深みをプラス。「ホワイトソースが美味しい!」とリピーターにも好評です。
もっと青森県産にこだわりたい

「今後はより一層、青森県産原料に軸足を置いた商品開発を進めたいです。ほたてをはじめ、しじみ、もずくなど地元の素材を活かした加工品に可能性を感じています。いま、ほたては不漁が続き厳しい状況ですが、これからも商品開発を通して地域ブランドを応援していければ」と、意欲を見せる河村さん。円安傾向や資源の枯渇で海外産の原料が高騰している中、今後は輸入に頼らない持続可能な商品作りも大切だと教えていただきました。
地元への思いが詰まった「器ごと食べるホタテグラタン」はユートリー、八食センター(坂下商店)、アスパム、青森空港など県内各地で好評販売中。食の楽しさとサステナブルな視点を両立させた一品、ぜひご賞味ください。
プロフィール
河村隆衛(かわむら・たかえい)。八戸市出身。宝成食品株式会社 代表取締役。祖母から受け継いだ商売気質と持ち前の行動力で2009年に26歳で起業。震災とコロナ禍を乗り越え事業を拡大。学生時代は野球に打ち込み、大学ではベストナイン(外野手・指名打者)に選出された実績を持つ。「かにとお鮨 松(おいらせ町)」、「浜のだし薫る麺処 うみの宝 (八戸市)」の経営も行っている。
<お問い合わせ>
宝成食品株式会社
https://hoseifoods.com/
〒031-0811 青森県八戸市新湊一丁目13-4
TEL:0178-20-0521
この記事を書いた人:
ひらないホタテ貝議事務局 ディレクター/門脇寿英



